3. 花火の最中に煌いたものと


パン、パパン、ドン。


「え?」
「聴こえなかった?なら良いよ」
にっこり微笑む時野の瞳に消えかけた花火の火が映る。
「聞こえた、聞こえたよ。」
「いやぁ、聞き流してよ。ちょっと云ってみただけ。」
「うそ、」
あんな真剣な瞳してたくせに。
かといって、してみる勇気、私にある?
しばらく迷って、花火を見ている時野の袖をつかんだ。




「なー、俺思うわけよ」
「何を?」
「お前って冷たいよな」
「失礼な。どこが?こうやってお前につきあってるじゃん」
んー、


はじける花火を見上げて、千夜は云った。
「じゃあこれからもつきあって?」
「ん?いいよ?」
「えーっと」
こういうことだけど。
さらりと前髪が揺れて、
千夜のいやに真剣な顔が目の前にあって。




「うわわぁーい、花火綺麗だねぇっ!」
「今のやつ写真撮った?」
「うーん、ちょいタイミングが」
「どれ」
いい感じでしょ、無邪気に笑い、袖を引かれて
頬に軽くキス。
悪戯な瞳で覗き込まれると俺はいつも、弱い。






4. 祭りの後



あんまりに可愛い頬をつまんで、
こんな人込みの中じゃ駄目だと言おうとする。
迷う。
浴衣の襟をひっぱられて、
こら、と云う口を塞がれる。
「怜香っ」
「顔赤いよ、しゅうちゃん」
・・・ニヤリと笑われてしまった。




「・・・へっ」
「・・・。」
何今の?えーと、キス?
え、でもさぁ、これって女の子とするもんじゃなかったっけ?
「・・・千」
「伊織は、俺の事嫌いか?」
「いやぁ・・・好きだけど」
でもさぁ。
戸惑う気持ちは
夜空の花火のように。




ふっと視界が翳って、最後の花火が打ち上げられて
ぱらぱらと音を立てて
柔らかな唇がそっと触れ合った。


「・・・」
「・・・」
どちらからともなく笑みがこぼれて、
「・・・やっぱり、やわらかいんだ。」
「時野こそ。」
してみてよかった、と空を見上げる友人は、
いつもよりずっと美人に見えた。




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