「冬ー聖夜」


プレゼントなんてそんな、

彼女は思ったとおり恐縮する。


「したいからするんだ、」

プレゼントなんてものは。

二人で過ごす二度目の冬、

クリスマスが近づいていた。



「組長」


何処行かれるんで?

ちょっとそこまで。

車、出しましょうか?

いや、いい。歩いて行く。



コートを引っ掛けて、手持ち無沙汰に。

大通りまで出て、あたりを見回して

取り合えず、百貨店へ入る。

女が好むかと思うブランド店へ立ち寄ってみる。

ティファニィ、カルティエ、アニエス、・・・

貴金属がいいかと歩き回るが

好奇の目に晒され、

なんとはなしに気恥ずかしく。



何が喜ぶだろう?


今までそんな風に考えて人へやるものなど

選んだ事があっただろうか。

今までの自分を振り返って思わず反省した。



優しい気持ち、

そんなものは必要ないと突っ走ってきたから。

手に入れた小鳥は、

今までのどんな女とも違ったから。



そうだ。


あのこはあれが欲しいといっていた。

あれは何処に売っているものだったか・・・。


思案していると突然後ろから声を掛けられた。


「板倉んとこの組長さんだったよな?」

にやにや笑いを浮かべた二人組。

一瞥して踵を返した。


たいした奴らではない。案の定、突っかかってくる。


「護衛もなしにこんなとこうろついてるとこーゆーことになるん」

五月蝿い。こういうことになるのはお前らの方だ。

あっという間に伸された相方に

胆力の無さそうなもう一人が横で怯えている。

無表情のまま彼に聞いてみた。


「マイペット、は何処に売っていたかな」




差し出した掃除用具を受け取りながら

彼女はあっけにとられた顔をしていた。

「どうした」

「え、だってちょうど必要でしたから」

どうしてかな、と思って。

少し困惑した顔で。

かわいいと思った。

頭を撫でてみる。

一瞬彼女は身を竦めたが表情は変わらない。


ああ、云い忘れていた。



「クリスマスプレゼントだ」



笑った。

彼女は微笑んで礼を云って、

笑った。


彼女が笑ってくれるのなら、たまの買い物も悪くないと思えた。



数日後、彼女は俺にシガレットケースをくれた。


大切に、しよう。幸せな気持ちだ。



end


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