―ともだち―


ともだち

ずっと友達なんだから!

勢いで云っちゃった台詞を、今日になって後悔した。

嫉妬、してるのかも。・・・やだな。

校庭の隅っこで、告白されてる彼を見ながら、複雑な気持ち。

そりゃあ、しょうがないわよ?彼があの子と付き合うって云っても、

あたしは只の友達なんだから。自分で云っちゃったんだもん。

別に、後悔して、

してない。・・・してないってったら嘘になるけど。

でも、あれは照れくさかったから。急に改まって

「付き合って欲しいんだ」

とか、

笑っちゃわない?駄目かなぁ。普通笑うよね、だって今まで友達だったんだもん。

あ。

「あの、付き合ってもらえませんか?」

・・云った・・・。彼はどう応えるのか、気になる。気になってしょうがない。

何で気になるのかなんて考えたくも無い。自分の弱みをさらけ出すのはあたし、嫌い。

「・・・いいけど、」

え?

嘘。

良いって云っちゃった・・?

そのあとの台詞を聞きたくなくてあたしは我慢できずに教室に帰った。

我ながら、情けない。だって、聞きたくなかった。

なんで?

教室の戸をあけて、彼が帰ってくる。

「よ」

片手を挙げる彼から、思わず目をそらしてしまう。

気まずい。

にも関わらず彼はあたしの近くに来て、

笑いかけた。・・・やめて、どきどきする。

「な、俺今日告られたんだけどさ」

「それがどしたの?」

無神経!腹が立った。

「気にしてくれてた?」

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜何がよっ!」

大声出しちゃって、教室中の視線を集めてしまう。

冷静になんなきゃ。

だって友達なんだもん。

彼を見ると、

彼は笑って、云った。

「振られちゃったよ」

え?だって良いって云ってたじゃんあんた。

そんなこと口に出すほど馬鹿じゃないから、

どうして?って聞いた。

「好きなひとが居るけどそれでもいい?って聞いたら」

泣いちゃった、と云って彼は笑う。

そんな彼の笑顔にほっとしてる自分が嫌。

認めたくない、

そんなあたし。

認め、

温かい液体が頬っぺたを伝う。

何も云えずにしゃくりあげると、

彼は優しく微笑んで、あたしの頭を触った。

「強がらなくてもいいじゃん」

言外に、暖かい想いを込めて、

彼は云う。

「わ、かってるわよ、ばか、・・・っ」

特別なともだち。

あたしがようやっと、そういったら彼は嬉しそうにあたしを抱きしめた。

教室でやったから、ちょっと目立っちゃったけど。

あたしはちょっと、素直に嬉しいと思った。

                 END


[★高収入が可能!WEBデザインのプロになってみない?! Click Here! 自宅で仕事がしたい人必見! Click Here!]
[ CGIレンタルサービス | 100MBの無料HPスペース | 検索エンジン登録代行サービス ]
[ 初心者でも安心なレンタルサーバー。50MBで250円から。CGI・SSI・PHPが使えます。 ]


FC2 キャッシング 出会い 無料アクセス解析